リサイクルに関する法律のうち、自動車リサイクル法についてご紹介します。
■自動車リサイクル法が制定された背景
自動車リサイクル法の施行以前は、年間400万台の自動車が廃車となっていました。廃車のうち、鉄やアルミなどの金属や、エンジンなどの部品はリサイクルされていましたが、その他のシュレッダーダスト(解体・破砕後に残る廃棄物、樹脂、ウレタン、繊維、ガラス、木材など)は埋め立て処分されていました。
しかし、埋め立て処分場スペースが残り少なく、あと数年で容量オーバーと予測されていました。また、安全に処理されるため専門技術が必要なエアバッグ(爆発性がある)や、環境破壊を防ぐために適正処理が必要なエアコンのフロン類(オゾン層破壊の原因とされている)を適正に処理し、使用済み自動車から出る資源を有効にリサイクルするために、「使用済み自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)」が制定されました。
■自動車リサイクル法の概要
1.目的
自動車製造業者にリサイクルの責任を果たすことを義務づけ、また、ユーザにシュレッダーダスト、エアバッグ、フロン類の処理にかかる費用を負担することを義務づける事で、使用済み自動車から出る資源を有効活用し、排出される廃棄物を適正に処理する。
2.対象となる自動車
基本的には、トラック、バス等の大型車含む全ての自動車が対象です。
ただし、以下の自動車は対象外です。
●被けん引車(けん引して移動させるための用具)
●二輪車(原動機つき自転車、側車付のものを含む)
●大型・小型特殊自動車(農耕用自動車、除雪車、ロードローラー、スノーモービル、無人運搬車等)
3.自動車リサイクルの仕組み
4.自動車リサイクル料金について
自動車の所有者から支払われたリサイクル料金は、(財)自動車リサイクル促進センターで管理され、自動車が廃車となりリサイクルが実施されるときに使用されます。
リサイクル料金は、@シュレッダーダストの発生見込み、Aフロン類の充てん量、Bエアバッグの個数や取り外しやすさC情報・資金管理料によって設定され、メーカー、車種によって1台ごとに異なります。
※具体的なリサイクル料金については、各自動車メーカー・輸入業者のサイトをご覧ください。