リサイクルに関する法律の中で基本となる、環境基本法についてご紹介します。
■環境基本法が制定された背景
1992年6月に、ブラジルのリオデジャネイロで地球サミット(環境と開発に関する国連会議)が開催されました。この会議で、環境の基本文書である「環境と開発に関するリオ宣言」と「アジェンダ21」が採択されました。
「環境と開発に関するリオ宣言」と「アジェンダ21」では、環境に対する国の権利と責任、環境汚染に対する予防的方策、汚染者負担の原則、開発及び環境保全の相互依存性などの基本理念と、それをふまえた21世紀に向けて持続可能な開発を実現するための具体的な行動計画を定めています。
環境基本法は、地球サミットが開催された翌年の1993年に制定されました。現在起きている環境問題は複雑で、地球規模化しており、従来からある公害対策基本法やそれに関連する自然保全法などでは対応できないため、地球サミットで採択された基本文書を参考に、環境基本法が制定されました。
■環境基本法の概要
1.目的
現在および将来の国民の健康で文化的な生活を確保するために、環境保全の基本理念と環境保全に関する施策の基本事項を定め、国、地方公共団体、事業者、国民の責務を明らかにする。
2.基本理念
環境の恵沢の享受と継承
人間が存続していく基盤となる環境を、健全で恵み豊かなものとして維持し、現在および将来の人間が環境の豊な恵みを受けられるよう、適切な環境保全をする。
環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築
環境負荷の少ない健全な経済発展が出来る社会を構築する事が出来るよう、環境保全を行う。
国際的強調による地域環境保存の積極的推進
地球環境保全は人類共通の課題であり、国際的協調の下、日本の役割や能力に応じて積極的に推進する。
3.国の責務
基本理念に則った、基本的・総合的な施策の策定し、実施する。
4.地方公共団体の責務
基本理念に則り、国の施策に準じた施策や、各地域に見合った施策を策定し、実施する。
5.事業者の責務
基本理念に則り、事業活動を行う中で、物の製造・加工・販売・使用・廃棄において、環境への負荷が低減されるような措置を講ずる。
6.国民の責務
基本理念に則り、日常生活で環境負荷低減に努め、また、国や地方公共団体が実施する施策に協力する。